フランスで怪物なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのフランスで怪物な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番のフランスで怪物なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.2 1 フランスで怪物なアニメランキング1位
BLOOD+ ブラッドプラス(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (983)
6266人が棚に入れました
沖縄県沖縄市コザに住む高校生・音無小夜は一年以上前の記憶を持たないものの、家族である養父宮城ジョージや義兄弟宮城カイ・リク、そして友人に囲まれて平和な日々を過ごしていた。
しかしそんな小夜の日常は、生き血を喰らう獣・翼手に遭遇した事で終わりを告げる。襲い掛かってくる怪物に成す術もない小夜は、辛くもハジと名乗る美貌の青年に助けられる。そしてハジに口移しで彼の血を飲まされるや一変、刀を手にし、たちまち翼手を切り伏せてしまう。そんな自らの能力に困惑する小夜だが、全てを知るハジは多くを語ってはくれなかった…。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ベトナムで反米を叫んだ獣…改め《アカメの小夜(サ●)が斬る!》…何を!?

まず最初に一言。
「設定&シナリオ・ガバガバでも・・・なんくるないさ!」

※因みに本作のヒロイン(音無小夜)は「サヨ」ではなく「サヤ」と呼びます。念のため。


◆総評:黒髪ヒロイン《剣戟モノ》と思えば見れないこともない作品かも?

wikipediaの事前情報によれば、

<1> 本作の監督&シリーズ構成を務めた藤咲淳一氏は、『機動警察パトレイバー』『攻殻機動隊』などで有名な押井守氏の主催する押井塾の塾生だった方で(※因みに押井守氏自身も本作に企画協力として参加)、
<2> また本作の企画者・竹田青滋氏は本作の放送開始直後の某新聞インタビューで(「BLOOD+では家族の絆を描きたい」と述べた後)更に「世界中で戦争を起こし、殺人を行っているアメリカとは何かを問いたい」と述べたそうで、
(※参考ページ:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%B9%E7%94%B0%E9%9D%92%E6%BB%8B)

序盤の舞台が沖縄とベトナムで、中盤のロシア・フランスを挟んで、終盤にはイギリス・アメリカが舞台となるらしい本作に関して、私は色んな意味で(良い意味でも悪い意味でも)期待を持って(※というより怖いもの見たさの好奇心から)見始めたのですが・・・

①設定ガバガバ、②キャラ・ブレまくり、③シナリオ・スカスカ過ぎて・・・真面目に考察する気が失せてしまいました。

(その一例)
・ヒロイン(音無小夜)は沖縄県コザ市(※現沖縄市)の高校に通う17歳(高2)の少女だが、1年以上前の記憶が欠落しており、時々過去の出来事の夢を見てしまう。

・実は彼女は、{netabare}30年周期で冬眠と活動を繰り返す超生物{/netabare}でした。(え?)
・彼女は、ベトナム戦争の最中の{netabare}1972年に、米軍沖縄基地からベトナムに派遣された海兵隊所属の宮城ジョージに密かに匿われ、沖縄の宮城家の墓(グスク)で長らく冬眠していたが、1年前(※本作放送時2005年の1年前なので西暦2004年頃か?)に冬眠から覚めて、晴れて宮城ジョージの義理の娘として同家に迎え入れられ、高校にも通う{/netabare}ことになった。(1年以上前の記憶が全くないのに適応力高いな笑)
・そして、彼女と同じく{netabare}宮城ジョージの義理の息子となっていた一般人で同級生の少年(宮城カイ)とは、たった1年間の付き合いにも拘わらず、互いに恋心に近い微妙な感情を抱き合う良い仲{/netabare}になっている。(スペック高すぎだろう笑)
・そのうえ、{netabare}彼女の恋心を応援してくれる同級生の親友(金城香里)や、彼女に激しい嫉妬心を抱きしばしばちょっかいを出す恋のライバル(謝花真央){/netabare}までいる。(おいおい設定盛りすぎだろう笑)

・・・と、ここまでヒロイン(小夜)の{netabare}義理の家族や親友&ライバル{/netabare}だけでも設定ガバガバで見てられないレベルだったのに、その後に登場してくる{netabare}「ヒロインの双子の妹」とか、その後に次第に明らかになってくる「ヒロインのシュバリエ(騎士)」との過去の繋がりとか、ヒロインやその妹を利用しようとする世界を裏で牛耳る大物たち{/netabare}とか・・・色々とカオス笑。

《まとめ》
上記の通り、設定&シナリオが余り練り込まれておらず、伏線回収/謎解き明かしの楽しみが非常に薄い作品です。
「沖縄編」「ベトナム編」「アメリカ編」がある、ということで、ある程度見応えのある米軍批判・アメリカ批判の入っている作品なのか?と期待して、私みたいに序盤から真面目に設定&シナリオを追っていくと、途中で見続けるのが馬鹿らしくなってしまう恐れがあるので注意しましょう。

多分、本作は下記のように「黒髪少女&剣戟モノ」として余り期待せずにダラダラと見ていくのが正解でしょう。


◆(参考)日本刀を振り回す黒髪少女の物語(個人評価)

(1) 灼眼のシャナ  ★★ 4.6 (2005/7/11) ※全78話
(2) アカメが斬る! ★ 4.1 (2014) ※全26話
(3) 喰霊-零-    ☆ 3.6 (2008) ※全12話
(4) BLOOD-C    × 3.4 (2011) ※全12話
(5) BLOOD+    × 3.2 (2005) ※全50話

・本作と同じBLOODシリーズの「BLOOD-C」も酷い設定&シナリオだと思ったけれども、本作は全50話と長い分、さらに酷い気がしました(※従って個人評価もBLOOD-Cよりさらに2段階落とします)。
・それにしても、《日本刀を振り回すヒロイン》って、何でみんな、

①高校生で(※アカメは除く)、
②長髪(黒髪)で(※小夜も本来は長髪です)、
③戦闘時にアカメになる(※シャナは灼眼になる)
  
・・・のでしょう?(一種の様式美か?)


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
在日米軍基地(嘉手納飛行場)のある沖縄県沖縄市(※旧コザ市と旧美里村が1974年に合併して発足)が舞台らしい。
・第6話視聴終了時点
米軍がベトナム戦争中に翼手を研究・・・出たよ。アメリカ悪者説。
・第17話視聴終了時点
それまでの回とのシナリオの繋がりがよく分からないけど、ロシアの寒村の雰囲気がよく描かれている気がするので初の★(優秀回)。
・第23話視聴終了時点
カールから小夜に彼女の真実が告げられる回だが、設定ガバガバ過ぎてかえって笑える。
またカイは小夜とたった1年しか家族生活をしていないのに、なぜそこまで小夜に執着できるのかも、少し考えればオカシイことに気づくハズ。
・第30話視聴終了時点
第1話冒頭のアカメの少女狂乱や小夜がたびたび見る鍵の夢など、小夜まわりの種明かしが入る注目回だけど、ここまで引っぱっておいて中身がショーもなさすぎ(※これで更に一段と視聴意欲が薄れる)。
・第41話視聴終了時点
ディーヴァがマルセイユ沖の輸送船で一度だけ接触したリクの子供を妊娠って、何そのトンデモ設定は笑。
・第50話(最終話)視聴終了時点
小夜が高校生活を再開してるけど、作中で2年経過してたはず(第41話の真央の言葉より)。
加えて小夜は、身体の成長が17歳程度で停止したまま数百年生き続けている(※但し30年周期で眠りに入る)キャラという設定なので、ここで高校に復帰されても・・。
Cパート(※EDが流れた後に短く入る宮城家の墓参シーン)で、カイがディーヴァの双子たちに「お父さん」と呼ばせようとしている点、さらに、ピンク色の薔薇が義父ジョージの墓に添えられている点(※小夜の復活を暗示←双子たちの背格好から見てせいぜい2~3年後で小夜の30年周期冬眠設定と矛盾)からも、本作の設定&シナリオのいい加減さ・練り込み不足がよく見て取れる。{/netabare}

◆制作情報
{netabare}
原作          Production I.G、Aniplex
企画          竹田靑滋、押井守(企画協力)
監督・シリーズ構成   藤咲淳一
脚本          藤咲淳一、大松裕、櫻井圭記、菅正太郎、後藤みどり、森田繁、吉田玲子、砂山蔵澄、横手美智子
キャラクターデザイン  箸井地図、石井明治(アニメーション)
メカニックデザイン   寺岡賢司
音楽          マーク・マンシーナ
アニメーション制作   Production I.G{/netabare}


◆パート別評価

Ⅰ. 沖縄編(1) ☆ 3.5 (7話)
Ⅱ. ベトナム編  × 3.0 (6話) 
Ⅲ. 沖縄編(2) ☆ 3.5 (2話)
Ⅳ. ロシア編   ☆ 3.5 (4話)
Ⅴ. フランス編  ☆ 3.5 (13話)
Ⅵ. イギリス編  ☆ 3.5 (8話)
Ⅶ. アメリカ編  × 3.1 (10話)
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   総合     × 3.2 (全50話)


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= BLOOD+ (2005年10月-2006年9月) ===============

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ⅰ. 沖縄編(1) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  - - - - - - - - - OP「青空のナミダ」、ED「語り継ぐこと」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 ファーストキス ☆ 一年以上前の記憶のない少女(音無小夜)、血を喰らう獣(翼手)、謎の男(ハジ)との接触
第2話 魔法の言葉 ☆ 小夜変貌(翼手斬撃)、小夜の義理の親(宮城ジョージ)・義兄(宮城カイ)・義弟(宮城リク)、二匹目のマウス(翼手)
第3話 はじまりの場所 ☆ 隠蔽工作進行、宮城グスク家の墓参、「赤い盾」、フォレスト翼化・ジョージ重傷
第4話 アブない少年 ☆ リクの翼手討滅の決意、小夜の決意(ハジへの依頼)、二匹目の翼手漸撃
第5話 暗い森の向こうへ ☆ 米軍のジョージ連れ去り、
第6話 おとうさんの手 ☆ ジョージ救出へ(ヤンバル研究施設、大量の翼手との戦い)、ジョージ死亡
第7話 私がやらなきゃ ☆ ジョージの思い出と託された思い{/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ⅱ. ベトナム編 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{netabare}
第8話 ファントム・オブ・ザ・スクール ☆ 小夜ベトナムへ(全寮制女子校リセ転入)
第9話 それぞれの虹 ☆ リク&カイのベトナムでの出遭い(左足のない少女ムイ)
第10話 あなたに会いたい ☆ 地下室の謎、呼び覚まされる記憶、ファントムの正体
第11話 ダンスのあとで ☆ ソロモンとのダンス
第12話 白い霧にさそわれて ☆ ディーヴァとシュヴァリエ、ベトナム戦争の再演
第13話 ジャングル・パラダイス × 小夜変貌、駆け付けたカイ、カール翼手化・撃退{/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ⅲ. 沖縄編(2) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  - - - - - - - OP「SEASON'S CALL」、ED「CRY NO MORE」 - - - - - -
{netabare}
第14話 さいごの日曜日 ☆ 小夜の普通の少女とのお別れ
第15話 おいかけたいの! ☆ 30年前の写真の謎、謝花真央(ヤクザ組長娘)&岡村昭宏(新聞記者)の小夜追跡開始{/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ⅳ. ロシア編 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{netabare}
第16話 シベリアン・エクスプレス ☆ ウラジオ上陸・エリザベータ(愛称リーザ)との出遭い(小夜・カイ・リク他)、列車への翼手来襲、リク転落、小夜&ハジ離脱
第17話 約束おぼえてる? ★ 寒村の出来事(小夜の一時的記憶回復、アナスタシア捜し、ソーニャとの出遭い、人を作り出す実験、翼手化ソーニャ撃滅、ハジとの約束、リクとの再会)
第18話 エカテリンブルクの月 ☆ ディビッド&カイの真相捜し(フィリップとの対話)
第19話 折れたココロ × エリザベータの問いかけ、小夜の妹(ディーヴァ)の存在、小夜離脱 ※伏線が薄すぎ{/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ⅴ. フランス編 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{netabare}
第20話 シュヴァリエ ☆ シフのソロモン襲撃失敗
第21話 すっぱいブドウ ☆ 真央のブドウ園探索、シフの小夜接触
第22話 動物園 ☆ 小夜の生まれた場所、小夜とハジの過去(小夜の断片的な記憶回復)、ジョエルの誕生日の記憶、ソロモンとの再会
第23話 ふたりのシュヴァリエ ☆ ソロモンの告げる小夜の真実、噛みつかれたリク(ディーヴァとの再会)、ディヴィッドからカイへ告げられる小夜の過去
第24話 軽やかなる歌声 ☆ 小夜とディーヴァの過去、ディヴィッド&カイ到着、リクのシュヴァリエ化{/netabare}

  - - - - - - - - OP「Colore of the Heart」、ED「This Love」 - - - - - - -
{netabare}
第25話 赤い盾 ☆ 「赤い盾」の設立事情、ジョージの結晶を埋め込んだ刀(小夜の決意)
第26話 サヤに従うもの ☆ リクの変貌、リク&カイとシフの交戦
第27話 パリ・ジュテーム ☆ カイとイレーヌの出遭い(シフの秘密)
第28話 限りあるもの ☆
第29話 呪われた血 ☆
第30話 ジョエルの日記 ☆ ※小夜&ディーヴァの出生の秘密etc.開示回
第31話 壊れゆく盾 ☆ リク死亡・結晶化
第32話 ボーイ・ミーツ・ガール ☆{/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ⅵ. イギリス編 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{netabare}
第33話 信じるチカラ ☆ マルセイユ沖の輸送船放棄から1年後
第34話 俺たちのいる世界 ☆
第35話 希望のない明日 ☆
第36話 すれちがう想い ☆
第37話 狂おしいまでに ☆
第38話 決戦の島 ☆
第39話 魔法の言葉をもう一度 ☆ アンシェル・ゴールドスミス主催パーティ(当代ジョエル・ゴルドシュミットとの対面)、アンシェル&ソロモン兄弟とディーヴァの過去、ソロモン離脱{/netabare}

  - - - - - - - - - - OP「雷音」、ED「Brand New Map」 - - - - - - - - -
{netabare}
第40話 シュヴァリエの見る夢 ☆ {/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Ⅶ. アメリカ編 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{netabare}
第41話 私の居場所 ☆ 真央来訪、翼手繁殖の可能性、小夜30年の眠りの惧れ
第42話 響く、歌声 × カイとディーヴァの対面、ディーヴァ野外ステージ、ソロモンの小夜略奪 ※シナリオ適当&キャラブレ過ぎ
第43話 こころ乱れて ☆ ソロモン求婚、ソロモンvs.ハジ ※ソロモンが小夜を好きになる経緯が不明×
第44話 光の中に ★ 残り3人のシフ達の心模様
第45話 手のひらを太陽に ★ モーゼスのカイ襲撃、カルマの制止・死亡
第46話 あした天気になあれ ☆ 翼手化事件発生、デーヴァの子供の繭、人類2憶発症の危機、近づく最終決戦 ※アメリカの陰謀とか笑。それを抜いてもシナリオ間延びし過ぎ×
第47話 全ての血を超えて ☆ 翼手化ジェイムズ来襲・死亡、ソロモン死亡
第48話 摩天楼オペラ ☆ 同時多発的翼手化(アンシュの計画進行)
第49話 二人の女王 ☆ 最終決戦(小夜vs.ディーヴァ、アンシュvs.ハジ)、アンシュ撃退、ディーヴァ死亡、ネイサン(ミイラのシュヴァリエ)死亡、双子誕生
第50話 ナンクルナイサ ☆ ハジの真意、オプションD発動、ハジ&アンシュ死亡、沖縄の高校生活再会(小夜)、小夜の眠り ※ED後に小夜の寝覚めを暗示する描写あり{/netabare} 
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)44、×(疑問回)3 ※個人評価 × 3.2


※最後にひとこと

コレ、もしかしたら『エルフェンリート』や『極黒のブリュンヒルデ』に近い設定の作品なのかも?という気がしてきました(それらの作品が好きな方は一度お試し視聴してみると良いかも)。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

ばけー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

語り継ぐこと

ごく普通の女子高生・音無小夜は沖縄で平凡な日常を送っていたが、突如出現した<翼手>と呼ばれる化物に襲われ、謎の男・ハジによって窮地を救われる。ハジに血を飲まされ謎の覚醒を遂げた小夜は翼手を斬殺、平凡な日常は終わりを告げる。
自らが翼手を殺せる唯一の存在だと知らされる小夜は、組織<赤い盾>の戦いに巻き込まれ、否応なく翼手との戦闘を強いられていく。やがて彼女は戦いに臨む決意を固めていくが、自らの過去、そして世界中を暗躍する黒幕<ディーヴァ>と対峙する。様々な陰謀を孕み壮絶な死闘を繰り広げる中で、小夜は大切なものたちを失っていく・・・。


この作品はリアルタイムでは本編は見てませんでした。けれど主題歌はめっっちゃ聞いてましたね。内容知らないのにアルバムは持ってたw
くらい歌だけは大好きだったけどBLOODシリーズはコレが見るの最後になってしまいましたwだって50話って長いんだもん。

ストーリーは50話という長いスパンながら一貫した展開でしたね。全話でひとつのストーリーとして完結してる。
序盤~中盤は確かに退屈だったけどシフが出てきたくらいからだんだんエンジンかかって面白くなっていきました。
登場人物の思いや目的がはっきりしていく中盤。
終わりに向かって一気に収束していく終盤。
一年ものは長いけど4クール目突入くらいから(ああ、終わりにむかってるな・・・)ってものすごく感じますね~。
そして物語は静けさと共に幕を閉じる。シメ方は好きです。

一応主人公は小夜なんだけど、個人的にはカイの物語だなぁって思いますね。序盤のなんでもつっかかる足手まといからの後半は頼れる男具合はすごかったです。そりゃモテるわ。
イレーヌの話は悲しかった。小夜もほんとかわいそうなんだよね。 終始過酷な展開を強いられますorz
{netabare}人ではないって分かってからもうハッピーエンドはないからね。回を重ねるごとにどんどん疲弊していく。悲しい。最終回はカイの背中で静かに眠りにつく・・・ほんと切なかったです。{/netabare}
ハジは印象薄かったけど最後の台詞で泣きそうになりましたわ。

古いんで作画は正直期待はずれですねwww戦闘シーンとかほとんど動きがねえ。これから見る方はアクションではなくストーリーを楽しんでほしい。

個人的にこの作品の評価を上げたくなる一番の要素は、
主題歌!!!!・・・・・マジでガチの神曲しかありません(^▽^)/
青空のナミダ
アツイですね!本編見る前はかなり好きでした。
語り継ぐこと
名バラードですね。最終回これ持ってくるとかGJ。
SEASON'S CALL
正直本編みるまであんま聞いてなかったけど、めちゃくちゃかっこええ!映像込みならOPん中で一番好き!最近カラオケで歌いまくってる。
CRY NO MORE
中島美嘉ですよ~。これはフルで聞いてほしい。
Colors of the Heart
説明不要の神曲。いやほんとwこの曲でアルバム知ったもん。
This Love
これもあんま聞いてなかったけど切ない。ラスサビの悲壮感。
雷音
これはスルメ曲。何度も聞いてると好きになりましたね。
Brand New Map
ラストEDだったので物語が終わっていく感じにめっちゃシンクロするんです。


血みどろの戦いの果てに、生き残ったものたちは、何を語り継ぐのだろうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

長い長い歴史の中を旅する2人

2005年から2006年にかけて4クールで放送された全50話。
2000年に劇場公開された『BLOOD THE LAST VAMPIRE』での
「少女が刀を使って翼手(怪物)を斬る」というコンセプトを継続しつつ、
キャラクターもストーリーも一新して製作された作品。

主人公は一年以上前の記憶がないという高校生の女の子・小夜(さや)。
養父や義兄弟とともに沖縄で平和な日々を送っていたところ、
人間の血を栄養源にする翼手という怪物が引き起こす事件に巻き込まれ、
その際に出逢った謎の青年ハジとともに翼手と戦いつつ、
やがては小夜の壮大な背景を含む出生の謎やハジの秘密を追いながら、
世界各国をまわっていくというロードムービー要素もある物語。

沖縄に始まり、ベトナム、ロシア、フランス、イギリス、アメリカと、
長い長い旅の中、史実なども交えたスケールの物語になっている上、
次々現れる登場人物のキャラもそれぞれ立っていて、
リアルタイムで視聴していた当時、毎回グイグイ惹き込まれていた。
子どもの頃からヴァンパイアものは好きでよく観ていたくせに、
ハジが小夜と出逢う回はなかなか強烈で、時間帯的に子どもも観る時間だし
大丈夫なのか?なんて大人になってしまった自分が思っていたのが可笑しかった(笑)

旅の最中では、謎の歌姫ディーヴァを守るシュヴァリエ達や、
太陽の下に出られないシフなど、怪物スタイル以外にも、
美しい人間の姿をした吸血鬼モチーフの魅力あるキャラが登場。
圧倒的な力で戦いを挑む小夜も、その度に大切な諸々を失い疲れ果てていく姿や、
ディーヴァとの因果関係にも、切なさや哀しみなどの心情が細かく描かれ、
単純なバトルものとは違う奥深さがあった。
そして家族や家族愛というものもいろいろ考えさせられた。

また、4回に渡って改変されたOPやEDもさることながら、
ディーヴァの唄う歌が素晴らしく、ハジの弾くチェロも含め、
音楽面でも楽しめた作品だった。がしかし、リアルタイムで観ていても
中盤少々ダレ気味になったので、一気に観ようとするとさらに飽きる恐れはある。

でも、チェロ、オペラ、執事、ゴシック、ヴァンパイアアクションなどの
キーワードがお好きな方にはオススメ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 66

65.8 2 フランスで怪物なアニメランキング2位
ラディアン(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (106)
472人が棚に入れました
トニー・バレントさんのマンガが原作で、魔法使い見習いの少年が、世界を救うまでの活躍を描いた冒険ファンタジー。友情や努力、絆、出会いと別れなどを通して少年が成長する姿や強敵とのバトルが描かれる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、朴璐美、小市眞琴、遊佐浩二、子安武人、山口勝平、吉野裕行、東山奈央、三宅健太、寺島拓篤、早見沙織、佐倉綾音、緒方賢一、木村良平、稲田徹、速水奨

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その手でつかみ取るのは未来!

この作品の原作は未読です。
オープニングの最初に「原作:トニー・ヴァレント」とテロップが出るので、どんな方かと思っていたら、フランスの漫画家さんみたいです。
作風に西洋産のイメージが感じられなかったので、てっきりメイドインジャパンかと思っていました。

アニメーション制作は、「機巧少女は傷つかない」「クズの本懐」「あそびあそばせ」などを手掛けたLercheさんで制作はNHK…
安心感が感じられる組み合わせだと思います。
そして極めつけは監督が岸誠二さんだということ…

岸誠二監督とLercheさんって、ここ5年間くらいに結構繋がりがあるんですよね。
「ダンガンロンパ」「ハマトラ」「暗殺教室」「乱歩奇譚」「あそびあそばせ」
これだけ一緒に作品を作り続けている間柄だから安心感が感じられるのかもしれません。

「災いをもたらす怪物、ネメシス…この危険な敵に立ち向かえるのは魔法使いだけ。しかし、魔法使いもまた人々に「穢れたモノ」と恐れられていた…」
この決まり文句で始まるこの作品の主人公は、セトという一人前の魔法使いを目指し女魔法使いアルマの下で見習い修行をしている少年です。

彼は行く先々で問題を起こすトラブルメーカーなので、周りから厄介者扱いされてきました。
そんな彼がある日、偶然空から降ってきたネメシスの卵を割って目覚めさせてしまったんです。
ネメシスを倒せるのは魔法使いだけ…
ですが、ネメシスの想像を絶する強さにセトは全く歯が立たなかったのです。

魔法使いと普通の人間は分かり合えないのは世の常…
ですが、全ての魔法使いを悪者にさせないため、伝説の地ラディアンに赴き、元凶であるネメシスの巣を掃討することを決意するのでした。

セトはこれまで、アルマに育てられてきました。
けれど、自分で行くと決めた道は自分で切り開かなきゃいけない…
だから、セトが冒険に旅立つという事は、もうアルマに甘えられないということ…
そしてそれはアルマも一緒です。
あちこちで問題ばかり起こすセト…
でもそれは必ずしもセトが悪いからだけじゃない…
魔法使いであることを理由に迫害を受けた結果でもあるんです。
だから、アルマはセトを育てると同時に守っていたんです。
突然やってくる親離れと子離れ…
身体と心の反応が異なるのは、お互いが大切でかけがえのない存在だったから…
こうして誰もが一度は通る道をセトとアルマが駆け抜けて、彼らの壮大な冒険物語が動いていきます。

物語はバタバタとした冒険活劇なのですが、常に見え隠れしているのが普通の人間による魔法使いへの迫害です。
確かに人間は異端分子に対して恐怖を感じます。
でも、少なくても命の恩人だったり仲間だったらその風当たりが無くなるのが常識だと思っていました。

でも時に、この物語ではそんな常識は一切通用しなくなるんです。
昨日まで仲が良かったのに…腫れ物に触ったからといって掌を返すかのような態度が平然と行われているんです。
魔法使いが迫害されるのは異端だから…と思っていましたが、もしかするともっと違う理由があるのかもしれませんね。

性格的に合う、合わないや好き嫌いがあるのは仕方の無いこと…
でも、ヒトとしての限度や節度を守るのも必要な事だと思うんですよね。
だから視聴していて痛みを全く感じない作品ではありません。

それでも視聴を続けるのが苦じゃない理由は、主人公のセト、ヒロインのメリが常に気丈だから…だと思います。
途方もないくらい…想像もできないくらいの迫害を受けて、普通の人間には恨みしか持ちえない魔法使いにだって、セトの真っ直ぐな声は届くんですから…
きっと迫害を受けていない魔法使いなんて、ただの一人もいないのでしょう。
けれど真っ直ぐなセトの声は魔法使いの凍った心を甘やかに溶かしていくんです…
その流れは受け止めるべき結末をも変えるほどの勢いになって押し寄せてくるんですけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、04 Limited Sazabysさんの「Utopia」
エンディングテーマは、ポルカドットスティングレイ「ラディアン」
俄然格好良いのがオープニングです。
でも個人的に心に響いたのは、ハーメリーヌ(内山夕実さん)の挿入歌「君の未来」でした。

2クール全21話の物語でした。
起用された声優さんについて一人だけ…
主人公である少年セトを演じたのは花守ゆみりさん…
少年役を演じるのは初めてだったのではないでしょうか。
花守ゆみりさんといえば、真っ先に頭に浮かぶのが「ゆゆゆ:三ノ輪銀」「ゆるキャン△:各務原なでしこ」と現在2019年冬アニメで放送中の「エガオノダイカ:ユウキ・ソレイユ」ですが、セトを含め、全くイメージの異なるキャラばかり…
本当に演技の幅の広い声優さんだと思います。

物語はこれから新天地へ…というところで終わりますが、既に続編の放送が今年の秋アニメで放送されることが発表されています。
首を長くして秋を待つだけですね♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

TV東京系? いえいえ、『Eテレ』です。 一般には〇でしょうが、『ジャンプ』上級者には△?

「ファレノス」という別世界では、どこからともなくあらわれる「ネメシス」という怪物に、街や村々の人たちは脅かされていた。唯一対抗できるのは「魔法使い」のみ。しかし魔法使いも一般の人々からはネメシス同様、忌み嫌われていた。
半人前魔法使いの少年・セトはネメシスを生み出す伝説の場所(?)「ラディアン」を潰そうと旅立っていく・・・



最初「テレビ東京」系の番組を見てるかのような錯覚を起こす冒険ファンタジーアニメ。
フランスのトニー・ヴァレント氏が原作で、画風も「〇ェアリー・〇ール」のように日本で馴染みのあるのコマ割りの漫画で注目。
で、アニメ11話まで見てみたわけですが・・・う~ん、何だろ。「どこかで見た」ような?日本では「既に馴染みのある」ようなコノ感じ。


まず主人公『セト』
少年主人公の定番セオリーとして、
①勇気と正義感があり明るく元気
②思いたったら即実行する行動力
③夢と希望に燃え、信念を貫くド根性!
④心優しくお人よし
⑤若さ故、世間知らずで『バカ』
⑥若さ故、早く一人前になろうとして何かと背伸びをする『バカ』
⑦若さ故、実力も無いのに威勢をはる『バカ』
⑧若さ故、勇気と無謀を履き違え、責任や後先考えずに無鉄砲に行動する『バカ』
⑨若さ故、能天気な『バカ』
⑩若さ故、調子に乗って増長する『バカ』
などの要素を持っておりますが、⑤~⑩の成分がが強すぎて正直『苛っ!』とします。(笑)
回を重ねるごとに成長や利口になってきたり、目を見張るほどの特化能力があれば魅力的に思えるのですが、未だ半人前。
似たようなキャラを「ブ〇ック・ク〇ーバー」で見たような気が・・・
ア〇タ(CV:梶原岳人)「何だとーーーっ!!」(ええい、声が大きいワイ)
(あくまで個人の見解です)


防御魔法が得意な仲間の魔女(少女)『メリ』
極度の緊張に達すると人格が入れ替わるって「ド〇ゴン〇ール」のアノ人みたいだ。
ラ〇チ(CV:小山茉美)「ええ~、そうですか~・・・ハッ、ハクション!・・・(凶悪ver.)ンだとごらぁ!もっぺん言ってみろヤッ!」
(あくまで個人の見解です)

メリの小さな友達『ミスター・ボブリー』
小さくて翼で飛び回り、人語を離せないところといい「Dr.〇ランプ」で恐竜時代の卵から産まれたアレみたいだ。
則〇ガッちゃん(CV:中野聖子)「クピポー!」
(あくまで個人の見解です)


ネメシス研究者『ドク』
片思いにモジモジしたりズッコケたり、トラブルに巻き込まれてギャグ落ちしたりと何かと冴えないオジサン。
「Dr.〇ランプ」で最強の幼女型アンドロイドを発明したアノ人みたいだ。
則〇千兵衛(CV:内海賢二)「ん?」
(あくまで個人の見解です)


セトの育ての親にしてベテラン・ネメシスハンターの魔法使いの『アルマ』。
片腕キャラというところが「ワン〇ース」の左目に三本のカキ傷のある赤髪のアノ人みたいで、
シャ〇クス(CV:池田秀一)「(ギロッ)失せろ!」
暴力ババアと恩師というところが「ワン〇ース」の口が悪いナイスバディの老女医師みたいだ。
ドク〇リーヌ[Dr.ク〇ハ](CV:野沢雅子)「ヒッヒッヒッ、病気(ハッピー)かい?」
(あくまで個人の見解です)


異端審問官隊長の『ドラグノフ』
戦闘力もあり、部下全員に絶品の「まかない料理」を作るところが「ワン〇ース」の美人にやたら弱いヘビースモカーの料理人みたいだ。
黒脚のサ〇ジ(CV:平田広明)「あん?」
(あくまで個人の見解です)


空中都市アルテミス学院創設者『マスター・ロード・マジェスティ』
小動物キャラの管理者(マスター?)って「ド〇ゴン〇ール」のカ〇ン様みたいだ。
(あくまで個人の見解ですってば)


そんな感じで『ジャンプ』作品に疎ければ問題ないでしょうし、『ジャンプ上級者』にしてみれば特に気にはならないか、チョット???な気分になりそうに思えます。(笑)
全21話(でも2期以降つづくだろうなぁ)10話まで見て、「あの」岸誠二監督と聞いて期待してたのですが、EテレはNHK総合と違い審査が厳しいせいかチョット非凡すぎるような出来に思えました。
ドロップアウトしようかとも考えましたが、11話で謎の魔法使い「グリム」の登場で盛り上がるかもしれないのでもう少し付き合ってみようかな。
「ブ〇ック・ク〇ーバー」よりマトモそうだし。(笑)
〇スタ(CV:梶原岳人)「何だとーーーーーっ!!」

2019.02.23
途中退場したかったのですが、後半ランブルタウン編を見てて抜けにくくなり最後まで視聴。
う~~ん。ストーリー・キャラは悪くはないと思いますが「何か」が抜けてて、「変に」間延びし過ぎてるせいか全体的に「キリッ」としたトコロが無く、美術設定も所々中途半端な感じがして・・・予想どおり2期に続きますが、もう見ないだろうなぁ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

起承転結の「承」に工夫が欲しい

2018年10月~2019年3月放送のTVアニメ。第1期全21話。
第2期が2019年10月より放送開始と発表されているので、今回物語評価は3のままにしてあります。

トニー・ヴァレントによるフランスの漫画が原作で、2019年3月現在、邦訳版が9巻まで刊行。私は未読です。

海外の漫画原作というのが気になったので視聴しました。
原作も日本の漫画を意識した作りだそうですし、アニメも違和感なく見られます。ただ序盤は独自性が見出せず、少し飽きてしまった時も。
作画は安定していましたが、もう少しコンテ・演出に工夫が欲しい。
エンドカードがいつも凝っていて楽しかったです。


【良かった点】
ストーリーは王道で直球勝負なのが小気味良く、反面、移民や魔法使いへの偏見と迫害が重くシビアな見所を作っています。この点は海外の作家の感性かな?
さらにアルテミス学院という明るい街が、重い世界観の中で清涼剤的な役割を果たしていて良かったです。
{netabare}
キャラクターの好感度がとても高かった。
意外と暗い世界観に対して、主人公のセトは物怖じせずいつも明るいので、辛い描写があっても見ていて引きずらないで済みました。
セト視点では描けない異端審問官側から世界観を見せてくれるドグラノフが対比的で、それも良かったです。
また女性キャラにそれぞれ個性と魅力があり、特にアルマが最序盤では物語を牽引し、テーマを明確に見せてくれました。
セトに対して母親たるアルマ、良き友人たるメリ、迫害された経験を共有しその死がセトの心の傷となるハーメリーヌ。この3人は立役者だと思いますし、配役も演技もとても良かったです。{/netabare}


【気になった点】
{netabare}原作に対してアニメの尺が長すぎるとわかってしまうのはいかがなものか…
展開が丁寧なのは悪いことではないですが、1クール目では話があまり進まない上、世界観を掘り下げるような展開には主人公が絡まず、正直掴み所が無い。アニメ独自の部分がちょっと煮詰め切れていない印象がありました。
「偏見」「迫害」というテーマを肉付けする回をいくつか入れるなどして、コミカル回とのメリハリを付けるのも一つの方法だったかな、と思います。{/netabare}

起承転結の「承」に何を描くかで作品の厚みが増していくものだと個人的には思っているので、展開をもう少し早めにして、尺が余るなら内容を詰めていく工夫が欲しいかも。
今のところ、第2期も可能なら見てみようかと思っています。(2019.3.11)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

67.0 3 フランスで怪物なアニメランキング3位
ノートルダムの鐘(アニメ映画)

1996年8月1日
★★★★☆ 3.7 (31)
212人が棚に入れました
15世紀末のパリを舞台に、醜い鐘突き男カジモドと美しいジプシーの踊り子エスメラルダの優しい心を描いた、ディズニー得意のミュージカル・アニメ。 醜いカジモドは彼を引き取った最高裁判事のフロローによって、ノートルダム大聖堂の鐘楼に閉じ込められて暮らしていた。だがある日、彼は下界での祭りに我慢できなくなり、抜け出してしまう。カシモドはそこで、美しいエスメラルダに出会った。彼は彼女によって舞台に上げられ、道化の王に選ばれてしまう。最初は喜ぶ彼だったが、その顔が仮面でないとわかると、人々は彼を嘲った。エスメラルダは彼をかばうが、カジモドはその場から逃げ去る。しかしフロローは腹を立て、エスメラルダの逮捕を命じたのだった……。日本語版は浅利慶太が脚本を担当し、劇団四季のメンバーが歌を吹替えしている。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

私は、「アナ」よりも「カジモド」に心打たれました。

1996年放送の、ディズニー制作の長編アニメ。
約90分。


【前置き】

「アナと雪の女王」の大ヒットが記憶に新しい、ディズニーの長編アニメーション。
さて、本作「ノートルダムの鐘」はと言うと、興行的には大成功とはいえず、知名度も他作品と比べると高くはありません。

ただ私的には、ディズニー映画としては珍しく非常にシリアスで重々しい原作を採用し描かれたこの物語と、その残酷な境遇で育った主人公「カジモド」への思い入れが非常に強く、今でも大好きな作品なのです。

この度久しぶりに見返したので、愛を込めてレビューしたいと思います。
(…てか、画像すら無いとは……。。。)



【あらすじ】

舞台は、15世紀のパリ。
そこに佇むノートルダム大聖堂の鐘楼で、ひっそりと暮らす鐘衝き男『カジモド』。

彼は生まれつき容姿が非常に醜く、育ての親である「フロロー判事」の言いつけで聖堂の上から出る事を許されずに育ちましたが、その非人道的な育てられ方とは裏腹に、とても優しく純粋な心の持ち主でした。

ある日、毎年恒例の祭で楽しく盛り上がる人々を見たカジモドは、遂に我慢の出来なくなり、大聖堂から町へと飛び出したのですが……。



【カジモドという青年について】
{netabare}
本作を語るに辺り、まず何より主人公「カジモド」の出生と境遇について整理しておきましょう。

フロロー判事の行き過ぎたジプシー狩りで死んでしまった女性の赤ん坊であった彼は、殺される寸前でフロローが神の眼前での行為を神父に咎められたことにより、聖堂に軟禁状態で育てられました。

「鐘突き堂の中に隠そう…。

 この化け物も、いつかはきっと役に立つ。」

そして名付けられた名前が、「出来損ない」という意味を持つ「カジモド」。
彼は、それから青年に成長するまで、実の親を殺したフロローに「悪い母親からオマエを救ってやった。」と言いくるめられ、育ったのでした。


改めて文章にすると、なんと救いの無い話でしょうか。
こういう境遇の主人公は、大抵が見映えの良い容姿をしているものですが、カジモドに関してはそれすら誰もが目を背けるものですから。
(奇妙な輪郭、片目に出来物、欠けた歯、太い腕に猫背のような体型と、ちょっと酷過ぎますね。)

ただ、友達が一人もいないかと言われればそうではなく、カジモドの前でしか動かない「大聖堂の石像の3人組」が、いつも賑やかにカジモドに話しかけていました。
彼らの、時に配慮あり時に配慮に欠けた立ち振舞があったからこそ、カジモドは心優しい人間になれたのでしょうね。


ちなみに、大聖堂の外観をよじ登って生活していた彼は、非常にパワフルで巧みなロープアクションも見せてくれます。
鎧を着た大人を片手で軽々と持ち上げたり、女性を肩に乗せて飛び回ったりと、立ち振舞はターザンそのもの。

そういう点からもこのカジモドは、男性視聴者から見ると特に、見映えでは分からない格好良さに満ちた青年で、私的には大好きなキャラクターなのです。
{/netabare}



【論じてみる】
{netabare}
まず映像に関してですが、とても1996年の作品とは思えない美麗な作画に圧倒されます。
ディズニー映画を始めとした海外アニメは、日本アニメのような一枚の絵に入魂して綺麗に見せる手法というよりは、画面やキャラクターを大きく細かく動かす手法が特徴なので、ノートルダム大聖堂のスケールの大きさや、カジモドの軽やかな動きがとても緻密に描かれており、昔の作品だからと映像で退屈させられることは全くありませんでした。

音楽に関しても、個人的にはディズニー映画のミュージカル調に歌い出す演出はあまり好みではないのですが、本作は特にメロディーや声が非常に心地良く、映像や歌い手の心情と共に魅入ってしまう場面もしばしば。
(それでも、また歌かよ!なんて思う時もありましたけどね。)

特に、吹き替え版のカジモドの声を担当した「石丸幹二さん」は好演でしたね。
(「半沢直樹」の前半で半沢と対峙した、浅野支店長役の方と言えば、ピンとくる方も多いかも♪)
声優としての名演技もさることながら、圧倒的な歌唱力に脱帽でした。
流石は「劇団四季」ですね。


ただ、それでも興行的に振るわなかった原因としては、やはり第一印象で、どうもポジティブな気持ちになれないからではないでしょうか。
醜い主人公というだけで、やはり一般的に見て華やかさに欠けますし、視聴者の感心を持ちにくいのも仕方無いのかもしれません。
とっても良いお話なんですけどね。



さて、物語としては、カジモドが町のお祭りに参加し、不名誉にも「パリで一番醜い男」に選ばれてしまうところから大きく動き出します。
ここで唯一、彼を人として扱い手を差し出してくれたジプシーの『エスメラルダ』に、カジモドは恋をするのですが、同じく『護衛隊長のフィーバス』や、あのフロロー判事さえも歪んだ恋慕の情を抱きます。

一般的な物語で言えば、ここでエスメラルダは醜いカジモドを選ぶ筈なのですが、彼女が選んだのは護衛隊長のフィーバスでした。
実際フィーバスは、フロローの悪質な政策に反発するヒーロー的な役割で、見映えも性格も抜群な非常に格好良い男ではあるのですが、やはりカジモドの気持ちを考えると胸が痛かったですね。
目の前でキスを見ちゃったりしますしね……。。。

それでも、エスメラルダを救出する為に、この男2人が手を取り合ったシーンは、とても熱くて大好きなシーンでした。


フィーバス「エスメラルダを見つけるには、力を合わせなきゃ、…いいな」
(カジモドの背中を、軽く叩く。)

カジモド「あぁ……、いいとも」
(フィーバス背中を、バチコーーーン!!と叩く。)

フィーバス「いったあああああっっ!!!!!」

カジモド「ゴメン……」

フィーバス「…思ってないクセに……」


大勢の一般人がカジモドを醜い怪物と罵る傍らで、当たり前のように一人の人間として対等に接するフィーバス。
エスメラルダが彼を選ぶのは、やっぱり仕方ないかもしれないですね。


最後は、大聖堂を舞台に逆上したフロローとの対決が繰り広げられます。
クライマックスであり、シナリオ的にも映像的にも非常に見応えあるシーンが続くのですが、本作最大の見所は…やはりその後の幕引きではないでしょうか。

フィーバスとエスメラルダの恋仲を、歯痒くも初めての人間の友達として祝福し、2人の手をとって重ね合わせたカジモド。
あの大きな手と、優しい表情がたまりません。

そして、大盛況の町へエスメラルダに連れられて恐る恐る姿を見せたカジモドは、その醜さにまだ不審がる人が多い中、一人の赤の他人の少女に、顔を触れられ…抱きしめられるのです。
ここの、その頬を伝う手を握り救われたような顔をするカジモドに、私の涙腺は遂に崩壊してしまいました。

これまで救いの無い人生を歩んできた青年の、幸多き未来が見えた瞬間でしたね。
{/netabare}



【総評】

大スペクタルと呼べるか、万人受けするか、と言われれば、「アナと雪の女王」の方が遥かに上でしょう。

ですが、人が人として接してもらえない苦痛…。
そんな人間が、当たり前の人として受け入れられていく様を描く本作。
こちらも、前者とはまた違った見応えと、悲痛な訴えを感じさせてくれるのではないでしょうか。

続編の、OVA「ノートルダムの鐘II」では、カジモドの後の人生を好意的に捉えられる内容がありますが、こちらは作画の低下や蛇足感も強く、少々いただけません。
ですが、「他のディズニー作品の主人公と比べ悲惨な境遇のカジモドを、ちゃんと幸せにしてあげたい」というディズニーの配慮かなと思えば、これも好意的に思えました。


ちなみに、作中で見え隠れする残酷性について追求してみたい方がいらっしゃいましたら、原作小説wikiのあらすじを是非。
ディズニーが、本作をいかに万人向けにオブラートに包んだかが垣間見れますよ。
『ノートルダム・ド・パリ』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%AA


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『カジモド』声 - 石丸幹二さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『エスメラルダ』声 - 保坂知寿さん



以下、ふいに思い出した、どーでもいいこと。
{netabare}

高校時代のこと。

猫背の同級生が、友人達に「カジモド」と呼ばれているのを耳にしたことがあります。


………いやいやっ、それは酷過ぎるでしょっ!!!!


カジモドにも、そのカジモドにもっ!!!!←(・o・)オイ!
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

穢れた心から噴き上がる地獄の業火

原作小説『ノートルダム・ド・パリ』(『ノートルダムのせむし男』)は未読。

15世紀・パリ。ノートルダム大聖堂の鐘衝き部屋に閉じ込められたジプシーの“せむし男”
外見は醜悪だけど、心は清らかな青年・カジモドの物語。

(せむし男は放送禁止コードのため、本作邦題は改変されたそうですが、
そんなガラパゴスな言葉狩りは無視の方向で)


黄金期の再来と評された90年代のディズニー長編アニメ群ですが、
私はこの時期のディズニーは正直、苦手です。
自分は特に作画構成と折り合いが悪いです。

巨費を投じて、CGを活用した迫力の背景や群衆映像を構築する一方、
キャラクターは伝統的な手描きタッチを残す。

後年のキャラまでCGらしい造形で背景と統一されたディズニー作品を観ると尚更、
この時期のディズニーは大人でも楽しめるアニメへの進化の途上と感じてしまいます。


さらに私は脚本、演出にもアンバランスさを感じてしまいます。
シナリオやテーマに大人向け要素がある一方、
セリフ回しやギャグのノリは子供向け。
キャラ動作は伸縮の激しい『トムとジェリー』では……。

ミュージカル曲も近年の日本語吹き替え版でも大人の心に響くレベルにまでは達してない印象。
今観ると『アナ雪』ブームに至るまで、
ディズニーも色々試行錯誤して来たんだなぁ……と感慨を覚えます。


そんな相性の悪い90年代ディズニー作品の中でも、
比較的、興業不振だったと言う本作は個人的に出色。

やはり、作画の評点こそ高くなるものの、作画、演出のバランスは好きになれず。
後年、作画レベルを大幅に落してCG作画が削減された続編OVA『ノートルダムの鐘Ⅱ』の方が、
私はまだ安心して視聴できるくらいですが、

つんのめりながらも鑑賞して掴み取った本作の肝。
ディズニー得意の美醜設定の再生産でありながら、
差別や心の在り方を問うたテーマは重厚。

定住民から移動民・ジプシーへの差別にしても、魔女狩りにしても、
差別する側は至って真面目に正義に則って罪を重ねるあたりに唸らされます。

原作から改変されたと言う展開についても、
嫉妬と言う感情を収められた人間とコントロールできなかった人間との対比がお見事。

終盤、{netabare} 最高裁判事フロローの妄執からパリに燃え広がった魔女狩りの炎が、
ノートルダム大聖堂に迫る描写には鬼気迫る物があります。{/netabare}

ラストについても、テーマとの合致という意味では筋が通っていると思います。

ただ……やっぱり、最後、{netabare}カジモドがエスメラルダと結ばれないのは悲しいです。
嫉妬を必死に抑えながら、フィーバスとエスメラルダの関係をアシスト、祝福する言動を通じて、
清らかな心を貫き通した故、醜男が陽の当たる場所に出てくることができた。
という教訓はしっかり伝わって来るのが余計に切ないです。

悲劇に終わると言う原作に比べればハッピーエンドなのでしょうが、
悟れない私は、結局、イケメンじゃないと幸せになれないの?
と言う黒い感情がどうしても芽生えて来てしまいますw

ブサ男の幸せを願う世界の男性その他のみなさん。
今なら続編と言う救済措置があるので、是非『Ⅱ』でリベンジを果たしましょう。{/netabare}


付記:先月のパリ・ノートルダム大聖堂の大火災、衝撃的でした。

映像を観て、不謹慎にも真っ先に本作の再鑑賞を思い立ち、TSUTAYAに駆け込んだ私。
私のレンタルで在庫3本は全て貸し出し中に。
同じこと考える人がいるのかなぁと切なくなりました。

大聖堂の“立体迷路”としてのアクションやギミック、
隠し場所としてのシナリオ展開への活用等も多彩だった本作。
今回、消失した尖塔にはさらに、修復工事用の複雑な足場が組まれていたとのこと。

某国大統領はヘリから消火剤を云々とツイートされていたそうですが、
本作を観ると、大聖堂に一度、火の手が及べば消火活動は相当困難だろうなと感じます。
文化財を火災から守る難しさを再認識させられる出来事&再鑑賞となりました。

ノートルダム大聖堂は5年後の再建を目指すとのことですが、
その時に良い意味で改めて本作を思い出すニュースを聞ければ幸いです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

醜く心優しい男の、恋と自由の物語

1996年公開のディズニーの長編アニメ映画。

音楽が大好きな作品なのだけど、実はちゃんとストーリーを見たことがなかったので、見直してみました。

うん、やっぱり音楽が最高の作品です。
ストーリーも満足です^^

90分ほどの作品です。


● ストーリー
15世紀のパリ。

ノートルダム大聖堂の鐘をつく仕事をするカジモドは、
育ての親である最高裁判事のフロローの監視下のもと、
大聖堂から出ることを許されなかった。

大聖堂から見下ろす人々の暮らしに憧れを持つ日々。

フロローに黙って祭りに参加するが、
醜い容姿ゆえにいじめられる。

そんな彼を助けてくれたのは、
ジプシーの踊り子・エスメラルダ。

エスメラルダに一目惚れをするカジモド。

しかし、フロローの怒りを買ったエスメラルダは、
フロローに追われる身となる。


変わらない生活に嫌気がさしていて、
少し踏み出してみたら出会いがあって、
どんどん自分の周りに変化が起きて、
誰かのために頑張りたくなって、
結果自分にも大きな変化。

そんな王道ストーリーを、
きれいに完璧に描いていました。

無駄のない90分でした。

ディズニーお得意のミュージカル映画なので、
あちこちに挿入歌が挟まります。

開始20分で私はもう大満足してました。笑

テーマがゆえに他の有名なディズニー作品と比べて、
キャラの見た目は万人から愛されると言えるものではないし、
子ども向けと言える内容でもないけれど、
それで埋もれてしまうのは非常にもったいない作品です。

少なくともディズニー音楽が好きならば、
見るべき名作だと思いました。


● キャラクター
20年間ノートルダム大聖堂から出ることを許されず、
鐘をついてきたカジモド。

容姿は醜いが、心はとても優しい青年。

高い大聖堂を縦横無尽に駆け抜ける身体能力の高さが、何気にすごい。


ヒロインのエスメラルダは、
決して他者に屈しない、強い心を持った優しい女性。

カジモドにとって初めての友人であり、
恋心を持った相手。

強く優しい女性は魅力的でモテますね^^


そして、護衛隊長のフィーバス。
彼がいい人だったな。

エスメラルダに恋をし、
フロローの横暴に耐えられなくて命令に背くなど、

この物語に欠かせないキャラでした。


悪役のフロローもいい感じに狂ってましたね。

恋に燃え、狂い、パリの街を燃やす。

でもカジモドと毎日食事は共にしていたし、
改心の余地はあったんじゃないかと思う私は甘いかしら。


● 音楽
ミュージカル作品なので音楽は多用されています。

主題歌も挿入歌もBGMも、
どれも良すぎるんですけど!

「ノートルダムの鐘」という題名通り、
鐘の音が印象的な主題歌。

今までも曲が大好きでしたが、
ますます大好きになりました。

特に「ゴッド・ヘルプ(God Help The Outcasts)」は格別。

私の好きなディズニー音楽トップ3に入ります。


● まとめ
作品としての完成度は非常に高いです。

キャラもストーリーも大衆受けが難しいがゆえに、
知名度が他の作品と比べると低いのがとてももったいない名作です。

「ノートルダムの鐘2」もあるんですね。
せっかくなので観てみようかなと思っています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6
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